2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ケンブリッジ版エピクロス主義必携

The Cambridge Companion to Epicureanism (Cambridge Companions to Philosophy)作者: James Warren出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2009/07/02メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る ケンブリッジコ…

2009年9月入手資料

9月に手に入れた文献の中でめぼしいものは以下の通りです。 アヴェロエス『ラテン語版「生成消滅論」中注解』 Averroes. Averrois Cordubensis commentarium medium in Aristotelis De generatione et corruptione libros, edited by Franciscus Howard Fobe…

Lohr, Latin Aristotle Commentaries Vが届く

『ラテン世界のアリストテレス注解第5巻:二次文献表』Charles H. Lohr, Latin Aristotle Commentaries V: Bibliography of Secondary Literature (Florence: Olschki, 2005). 届きました。全体は3部に分かれています。1) アリストテレスの著作の翻訳とその…

Twitterぱねぇっす

http://hisphyussr.at.webry.info/200909/article_12.html#comment マジですか!?

Voelkel, Composition

今日は知人が突如ダウンしてしまったので、お昼からは研究室からも自宅からも離れていました。移動中とかあいていた時間とかに読んだのがこれです。非常に優れた研究。The Composition of Kepler's Astronomia Nova作者: James R. Voelkel出版社/メーカー: P…

Maclean, Cardano's Eclectic Psychology

「カルダーノの折衷的魂論とユリウス・カエサル・スカリゲルによる批判」Maclean, Ian. "Cardano's Eclectic Psychology and Its Critique by Juius Caesar Scaliger." Vivarium 46 (2008): 392-417. 読みました。でもよく分りませんでした。理解できないの…

minima naturalia研究その2

今日はマクリーンの論文を読んだ後は、頑張ってミニマ理論を取り上げていた箇所に食いついていました。難しいです。頭がねじきれるほど考えても分からない部分が出てきます。 スカリゲルによれば、ミニマは固定した形を持ちません。というのも、もし固定した…

序文書き

発表用の序文を書くつもりだったのに、いつのまにか博士論文の序文を書いていました。もちろんまだまだ雑なところがありますし、そもそも現時点では日本語なのでそのままは使えないです。でも路線としてはこの方針で行こうと思います。出だしは格好をつけて…

Lohr, Latin Aristotle Commentaries V: Bibliography of Secondary Literature

WorldCat情報 Charles H. Lohr, Latin Aristotle Commentaries V: Bibliography of Secondary Literature (Florence: Olschki, 2005). シュミットの文献案内の後継が出ていたようです。今日の今日までその存在を知りませんでした。日本の大学では慶応大学が…

改行をしないスペースの使い方

ワードで原稿を書いているとき、脚注内で「p. 285」と書くと、しばしば「p.| 285」というように「p.」が行末に来て改行されてしまうのが悩みの種でした。 しかし今日研究室でこの現象を回避するための方法を教えてもらいました。それは「p.」の後に「改行を…

minima naturalia研究その1

Van Melsenとリュティーの研究、および自分で調べた結果、スカリゲルがminima naturaliaについて論じているのは次の箇所であることが分かりました。 ex. 4, sec. 1 (fol. 4v) 13.1 () 16.1 (33r) 16.5 (35r) 20.1 () 24.2 (52v) 39.1 (66r) 80.1 (125r) 82.1…

クィンティリアヌス - 『弁論家の教育』第6巻

今日は朝の9時から夜の8時30分までひたすらラテン語とその日本語訳をにらんでいました。題材はクィンティリアヌス『弁論家の教育』第6巻の日本語訳草稿です。第5巻、8巻と合わせて来年中に京都大学会の西洋古典叢書の中の一冊として発売される予定のようです…

Des Chene, Physiologia

Physiologia: Natural Philosophy in Late Aristotelian and Cartesian Thought作者: Dennis Des Chene出版社/メーカー: Cornell Univ Pr発売日: 2000/10/01メディア: ペーパーバック クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る 今週の課題図書の1つの…

今週の3冊

Dennis Des Chene, Physiologia: Natural Philosophy in Late Aristotelian and Cartesian Thought (Ithaca: Cornell University Press, 1996). Walter Pagel, New Light on William Harvey (Basel: Karger, 1976). Jacques Roger, The Life Sciences in Eig…

中世哲学での天使

Angels in Medieval Philosophical Inquiry: Their Function and Significance (Ashgate Studies in Medieval Philosophy)作者: Martin Lenz,Isabel Iribarren出版社/メーカー: Routledge発売日: 2008/02/13メディア: ハードカバー クリック: 4回この商品を…

発生研究その2 - Eductio formaeについて

生成の際に、形相が質料から引き出されるという考え方は、Eductio formaeの理論と呼ばれます。ここではこの理論が扱われている個所をあげていくことにします(建設中&情報提供求む)。 トマス・アクィナス Thomas Aquinas, Summa theologiae, part 1, quest…

発生研究その1

生まれてくる生き物の魂は種子の内部にある。 外部から来たり、質料から引き出されない。 ただし自然発生の場合は天から、人間は神から。 魂は適切な条件が整った時に、第1可能態から第2可能態へと自らを移行させる。 犬の魂は種子の内部にある時点ですでに…

スカリゲル第1論文訂正作業その3

結論の最終段落を書きました。そしてさっそくid:Freitagさんに見ていただきました。うーん、まだまだ未熟。

迂回

混交について地に足をつけた議論をするためには、まずは発生論をしっかりと押さえる必要がありそうです。というのも、スカリゲルは時として混交と発生の区別をあいまいにして議論を行うからです。それなのに、混交と発生を混同しているとカルダーノを批判し…

ヒロ・ヒライ、秘薬「エリクシル」こそが未来永劫の命を手に入れる鍵

スターピープル・フォー・アセンション―新しい意識の時代をひらくスピリチュアル・マガジン Vol.30(2009Autumn)出版社/メーカー: ナチュラルスピリット発売日: 2009/08/17メディア: 大型本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る id:Freitagさんが…

混交研究その24 - アルシュテッド

アルシュテッドの『調和的自然学 Physica harmonica』を調べました。アリストテレス主義の自然学を解説した第3巻で混交の問題が扱われています。そこでの彼の解説はスカリゲルに完全に依拠したものになっています。その終盤で彼は次のように述べます。 元素…

混交研究その23 - 『一致と不一致』の第2版

先日は1636年に出された『自然学問題集 Hypomnemata physica』を見るにとどめていたのを、今日は1629年に出された『一致と不一致』の第2版を調べました。 1619年に出された初版にはなく、第2版から挿入された箇所で、混交に関するアヴェロエスの意見が否定さ…

スカリゲル第1論文訂正作業その2

入れろと言われたマクリーンの論文は、スカリゲルとカルダーノの論争について文献を挙げる注を設けて、その中の一つとして放り込むことにしました。入れるに際して改めて読んでみましたけど、特に得るところはなし。 もう1つ言及する必要があるとされたHauge…

スカリゲル第一論文訂正作業その1

今日は査読者の指示に従って論文を訂正する作業を行いました。結論の最後に根拠のない推測をしたら、そんなのありえないと怒られたので最終段落は丸ごとカット。 ハンキンスの意見に無批判に従ったところ(彼が査読者になかと思って終盤に挿入した)について…