太古の大陸にたくされたもの 庄子『アトランティス・ミステリー』

アトランティス・ミステリー (PHP新書)

アトランティス・ミステリー (PHP新書)

 プラトンが沈んだ大陸として言及したアトランティスの位置と繁栄時期を確定しようという営みを振りかえる本です。19世紀後半に提唱されたダンリーの大西洋実在説から、アトランティス=ミノア文明説、ジブラルタル海峡にある海面上昇により沈んだ島だよ説、いやいや南極がアトランティスなんだよ説、その他さまざまな説が紹介されます。最後にアトランティスというのはプラトンが自らの国家観を表明するために創作した架空の大陸であるということが、彼の神話観を参照しながら論じられます。