カトリーナと阪神大震災

The Larger Shame - New York Times
http://www.nytimes.com/2005/09/06/opinion/06kristof.html?ex=1283659200&en=23e813b5e1061443&ei=5088&partner=rssnyt&emc=rss
 筆者は今回のアメリカでの略奪行為の現状と、阪神大震災のときの神戸の状況を比較しつつ、このように述べます。

The reasons for this are complex and partly cultural, but one reason is that Japan has tried hard to stitch all Japanese together into the nation's social fabric. In contrast, the U.S. - particularly under the Bush administration - has systematically cut people out of the social fabric by redistributing wealth from the most vulnerable Americans to the most affluent.

 この分析があたっているかどうかはともかく、「なぜ略奪行為が起きたのか」ということは重要でしょう。
 先日新聞に「あと2日で物資が届くというようなことをしっかりいっていれば、略奪は起こらなかった」と書いてありました。これが正しいとすると、略奪が起こる背景の一つとして、孤立から来る心理的不安があったことになり、結果としてハリケーン直後に住民の不安を解消するような対策(形だけでもいい)を打ち出せなかった行政側の不作為の責任が大きくなります。
 もし、貧困や教育の欠如といったより深い部分に原因があるとしても、現政権は貧困層への援助には非常に否定的なので、やはり責任を問われることになります。そしてブッシュ政権以後の貧困率の上昇や乳児死亡率の上昇を指摘する論調は日増しに強くなっています。