2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

グラフトン、『カルダーノのコスモス』への書評

ご存じ「石板!」にてグラフトン、『カルダーノのコスモス』へのすばらしい書評が掲載されています。 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100421/p1 我々はカルダーノを笑うことなどできないだろう。本書が描き出すカルダーノのなかには、過去にいる我々と…

Craig, Rethinking Renaissance Averroism

Martin Craig, "Rethinking Renaissance Averroism," Intellectual History Review 17 (2007): 3-19. すでに2年ほど前の記事で触れている論文です。今頃になって読みました。これは古典的論文としてこれから長いあいだ引かれることになるのではないでしょう…

混交研究 『「生成消滅論」注解』を読んで

16世紀に出された注解を読んでいて、一年ほどずっと分からなかった疑問を解消してくれるかもしれない記述に出会いました。鍵はアヴィセンナではなく、アヴェロエスにあるようです。歴史というのはいつも想像の斜め上を行きます。

くるくる

シンポジウムのための読み原稿を見ています。くるくる回っています。困った。

石神井公園に行ってきた

今日はこの春にしてはめずらしく大変天気がよい週末だったので、少し遠出して石神井公園にまで行ってきました。 そうしたらひとひとひとひと…。もう駅を出てすぐのところから、公園の中に至るまで人で埋め尽くされていました。 一体何かと思えば、 http://sa…

金山、「自然科学、哲学、国際主義」

地域研究〈Vol10 No.2〉作者: 地域研究コンソーシアム『地域研究』編集委員会出版社/メーカー: 京都大学地域研究統合情報センター発売日: 2010/04メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 金山浩司、「自然科学、哲学、国際主義 エ…

UTCP 中尾報告

中尾さんの報告についての記事がアップされました。 【報告】 18th TCCP Colloquium: Prevention, Therapy, and Enhancement: Representations of the Brain in Japanese Medicine Advertisements, 1866-1977 | Blog | University of Tokyo Center for Philo…

『哲学』、第61号目次

4月になりましたので『哲学』が届きます。今年は私が所属する研究室の人の作品はありません。投稿すると言っている人が二人いて、そのうち一人については残念な結果になったという事は知っていたのですけど、もう一人の方もだめだったのかな。あるいは単に投…

ベーコン研究 Fattori, Bacon

『フランシス・ベーコン』 Marta Fattori, ed. Francis Bacon : terminologia e fortuna nel XVII secolo : seminario internazionale, Roma, 11-13 marzo 1984 (Rome: Anteno, 1984). 日本国内の図書館には所蔵されていないよと思ったら上智大学の中世思想…

人柄はおだやかで、雑務も厭わずこなす資質に恵まれて…

これはいったい… http://www.c.u-tokyo.ac.jp/staff/20100401_tsutsui.html 人柄はおだやかで、雑務も厭わずこなす資質に恵まれており、また豊富な教育の経験にもとづき、教育に対する熱意も並々ならぬところがある。 雑務も厭わずこなす資質ってすごい表現…

混沌状況の活写は可能か?

「哲学的見解が混沌とした議論の状況から浮上する現場」を押さえたい場合、論文作成技術が未熟な自分の場合だと、対象の混沌さが、そのまま自分の論文の混沌さに繋がってしまう(後略)。 http://twitter.com/adamtakahashi/status/12117793603 (前略)多く…

『ミクロコスモス』、ブックファースト渋谷店残部状況

『ミクロコスモス』のブックファースト渋谷店の残部状況は、残り4冊という段階にまできています(4月14日朝確認)。そろそろなくなってしまいそうなので、入手したい方で渋谷に立ち寄る機会がある人は最後のチャンスを逃さないでください!

小松、西洋医学思想における死生観の展開

研究室にいたid:sumidatomohisaさんから読むように指導を受けて読みました。 小松美彦、「西洋医学思想における死生観の展開」 岩波講座 哲学〈8〉 生命/環境の哲学作者: 飯田隆,井上達夫,川本隆史,村田純一,伊藤邦武,末木文美士,中畑正志,中岡成文,篠原資明…

久々にKRNさんに会った

久々にKRNさんに会った時の会話。 にく「あ、おお」 KRN「おお」 にく「ど、ども」 KRN「どうも」 にく「。。。」 KRN「めがね変えましたね」 にく「ええ。。。」 KRN「似合ってないですよ。変えたほうがいいです」 にく「ええええ」 このよ…

きゃんでいだ!

きゃんでいさんが、きゃんでいさんが!! RTBF Auvio : toute l'offre audio, vidéo et direct de la RTBF この動画を3分くらいにきゃんでいさんが出ています!すごい。かっこいい。感動!

近藤、ストア派の「運命」概念の起源を辿る

先日紹介したピンダロスについての著書を書いた逸身さんの退職記念論文集が発売されました。西洋古典学の明日へ: 逸身喜一郎教授退職記念論文集作者: 大芝芳弘,小池登出版社/メーカー: 知泉書館発売日: 2010/03/31メディア: 単行本 クリック: 75回この商品を…

『西洋古典学研究』2010年 逸身、『ピンダロスの韻律』

今年も『西洋古典学研究』が手元に届く時期になりました。残念ながら私は会員ではないので、図書館や人の研究室に押し掛けて閲覧させてもらうことになるのですけど。 さあ肝心の中身で気になったのは、西村太良氏による逸身さんの本への書評です。書評の対象…

3月のライオン第4巻

発売日の夕方に大学の生協に買いに行ったらすでに売り切れていました。最終的に買ったツタヤでも私と同時に本をレジに持って行った人がいて、かなりのペースで売れているように見受けられました。実は人気があるのか?3月のライオン 4 (ヤングアニマルコミッ…

世界霊魂研究その40 カンパネラ

以前、カルダーノによる万物に神の三位一体の力が宿っているという学説を紹介しました。どうやらカンパネラも同じように万物に神が力、知恵、愛という三重の力を与えたと考えていたようです。この学説は初期の著作である『感覚によって証明された哲学』には…

宇宙論と神学プロジェクト始動

秋に開催予定の学会に応募するアブストラクトの草稿をid:microcosmos2010さんに訂正していただきました。お忙しいなかありがとうございます。 さてbibliotheca hermeticaの日記にも書かれているように、この学会での発表はEarly Science and Medicine誌と『…

知性と天使の研究 その2 ロバート・ボイルと天使

近代の実験化学の祖としばしば言われるロバート・ボイル。しかし彼も初期近代の人間ですので、しばしば天使についても語っています。例えば世界が神の意図(デザイン)に基づいて作られていることを論じている箇所には、次のような言葉が現れます。 And sinc…