2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ニューヨークからコンタクト

朝作業をしていたらid:Freitagさんからスカイプでのコンタクトあって驚きました。一瞬忘れ物を取りに欧州に帰られたのかと思ったのですけど、なんとニューヨークのシライシ氏宅からだそうです。目の前で氏がライスクラッカーをかけたところとか!

ロング、『ストア派研究』

Stoic Studies (Hellenistic Culture and Society) (Hellenistic Culture & Society)作者: A. A. Long出版社/メーカー: University of California Press発売日: 2001/08/06メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る こういう研究があるら…

ストア派の神学 - Frede論文

Traditions of Theology: Studies in Hellenistic Theology : Its Background and Aftermath (Philosophia Antiqua)作者: France) Symposium Hellenisticum 1998 (Villeneuve-D'Ascq,Dorothea Frede,Andre Laks出版社/メーカー: Brill Academic Pub発売日: 2…

セネカとプラトン主義 - シュタールの論文

Gisela Stahl, "Die 'Naturales quaestiones' Senecas. Ein Beitrag zum Spiritualizierungsprozess der römischen Stoa", Hermes 92 (1964): 425-54 セネカの『自然論集』にプラトン主義的傾向が見られるということを論じた有名な論文です。しかし、実際に…

ストア派と悪の問題 - ロングの論文

先日(参照)言及したロングの論文を読みました。 「ストア派の悪概念」 A. A. Long, "The Stoic Concept of Evil", Philosophical Quarterly 18 (1968): 329-43. 真ん中あたりから情動と同意に関する専門的な議論が登場して理解不能になりました*1。このあ…

ご指摘

ここ数日ストア主義についていろいろと書き散らしています。そこでついにヘレニズム哲学がご専門のid:prokoptonさんからメールでいろいろご指摘をいただくに至りました。今日はもう夜も遅いのでご指摘の内容は明日以降の記事で取り上げたいと思います。とに…

ストア派にとっての悪の問題

調べています。以下経過報告的なものを断片的に掲載していきます。 資料、研究 基本的な資料は SVF, 2.1168-1186 に収録されています。 日本語で読める文献としては ロング、『ヘレニズム哲学』、256-8頁 があります。 英語はたくさんあるのでしょうけど、と…

ウァッロー入門書

Einfuehrung in Sein Werk (Heidelberger Studienhefte Zur Altertumswissenschaft)作者: Marcus Terentius Varro,Burkhart Cardauns出版社/メーカー: Universitaetsverlag Winter発売日: 2001/01/10メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を…

セネカのプラトン主義 - 「非物質的な」の解釈をめぐって

Middle Platonism and Neoplatonism: The Latin Tradition (PUBLICATIONS IN MEDIEVAL STUDIES)作者: Stephen Gersh出版社/メーカー: Univ of Notre Dame Pr発売日: 1986/09/01メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る この本に収録されて…

セネカ『自然論集』と神学

INWOOD : READING SENECA作者: Brad Inwood出版社/メーカー: Oxford University Press (Japan) Ltd.発売日: 2005/06/16メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (2件) を見る この本に収録されている"God and Human Knowledge in Seneca's Natural Quest…

17世紀哲学を扱った基本書(への書評)

Christoph Lüthy, "What to Do with Seventeenth-Century Natural Philosophy?: A Taxonomic Problem", Perspectives on Science 8 (2000): 164-195. この論文を元に吉本秀之氏の授業で発表することになっています。内容は17世紀哲学を扱った2つの基本書への…

ビュフォン、地図製作、コールリッジ

紀伊国屋書店から書籍紹介メールが届きました。気になったものをいくつか紹介します。 紀伊国屋書店 - ビュフォン全集(全36巻予定) 生誕300年を記念してビュフォン(Georges-Louis Lucrerc Buffon, 1707-88)全集の刊行が開始されます。 フランスの博物学…

『自然研究』についての研究書(の書評)

Bryn Mawr Classical Review 2005.01.16 セネカ、『自然研究』について2004年に出された研究書への書評です。書評されている著作の書誌データは以下。 Bardo M. Gauly, Senecas Naturales quaestiones : Naturphilosophie für die römische Kaiserzeit (Muni…

ケンブリッジストア派必携 - ストア派の神学

The Cambridge Companion to the Stoics (Cambridge Companions to Philosophy)作者: Brad Inwood出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2003/05/05メディア: ペーパーバック クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る おなじみのコン…

bibliotheca hermetica - ローマの宇宙神学・宗教

ローマ期の宇宙神学・宇宙宗教 現在id:Freitagさんが取り組まれているローマの宇宙神学について、関連する文献がまとめられています。日々手が加えられ充実していっています。毎日訪れましょう。

Clarke, The Roman Mind - ローマの宗教とストア派についての標準的な見解

The Roman Mind; Studies in the History of Thought from Cicero to Marcus Aurelius作者: M. L. Clarke出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc発売日: 1968/03/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る 歴史家たちはギリシアの哲学に…

宇宙の大燃焼について

ストア派が提唱していた宇宙の大燃焼(Ekpyrosis)の理論について文献を集めはじめました。今すぐ必要というわけでもないのですけど、いずれ使うことになるかもしれないので。 資料 基本資料は SVF, 1.107-109. SVF, 1.510-512. SVF, 2.585-632 に収録されて…

17世紀フランスの宗教思想

フランス近代の反宗教思想―リベルタンと地下写本作者: 赤木昭三出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1993/04/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る とりあえず基本書から読みます。

クーン、「物理科学の発達における数学的伝統と実験的伝統」

『本質的緊張』に収録されている有名な論文で昨日行われた吉本秀之氏の授業で取り上げられました。学部時代から数えるとすでに4回くらい授業で読んでいる気がします。かなり大胆な整理を行っているので、一読するとそんなバカなと思うのですけど、いろいろ調…

新規エントリーボタン

こんなものがつくようになったのですね。いや、はてなを使っていない人には意味不明かもしれませんが。これは文字だけの簡単な記事をアップするときには便利なのでこれから重宝しそうです。

「少年犯罪データベース」が書籍化

管理人の本が出ます。 : 少年犯罪データベースドア 戦前の少年犯罪作者: 管賀江留郎出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2007/10/30メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 13人 クリック: 310回この商品を含むブログ (102件) を見る 本になるんだ!これには期…

校正

紀要に掲載されることになっている論文の校正原稿が送られてきました。いつまでも手元にあるのも気持ち悪いので早朝のうちに校正して投函。この原稿に関してはこれにて終了です。

「ユストゥス・リプシウスにおける世界の魂」 Hiro Hirai, L’âme du monde chez Juste Lipse

id:Freitagさんのリプシウス論文がほぼ完成しました。素晴らしい出来です。感動しました。リプシウスを扱った論文でこれほど意義深いものを私は読んだことがありません。 古典哲学専攻のロングが軽視し、初期近代の研究者たちが見逃しているローマ哲学の神学…

TBS「アッコにおまかせ」の初音ミク特集に批判相次ぐ - ITmedia NEWS

個人的にはそこまで悪質な放送でもないような気が。あ、でも最後の「ご立派ですね」は悪意がにじみ出ていて嫌悪感を覚えました。 しかしお昼の、しかも相当広い範囲で放送される番組で、小児愛的な嗜好とかライブ衣装として男性が着用するセーラー服とかいう…

メモ - セネカにおける魂の神性

『書簡集』、31.11(このような魂を人間の肉体に宿る神という以外に何と呼べばよいのか), 41.1(神は君のそばに、君と一緒に、君の中にいる), 66.12(理性とは他でもない、まさに人間の肉体に潜り込んだ神的な息吹の一種だ), 73.16(人間の体内には、神的…

井出草平、『ひきこもりの社会学』 - ひきこもりと学校

ひきこもりの社会学 (SEKAISHISO SEMINAR)作者: 井出草平出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2007/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 130回この商品を含むブログ (36件) を見る ひきこもりという現象が広まっている原因を考察する著作。すでにchiki…

『哲学の歴史 2 - 帝国と賢者』

哲学の歴史〈第2巻〉帝国と賢者 古代2作者: 内山勝利出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (16件) を見る 初期ストア派を扱った部分だけ読みました。執筆者は神崎繁氏です。ストア派は…

ウェルギリウス、『牧歌』、第4歌

授業の準備のためにリプシウスは少しお休みしてウェルギリウスの『牧歌』第4歌を読みました。 iam nova progenies caelo demittitur alto. (7) 今や新たな血統が、高い天より降りてくる。(小川正廣訳) 中世ではこれがキリストの生誕を予言した詩行と信じら…

リプシウス、『ストア主義者の自然学』、初版78-79頁(全集版第4巻906頁)

昨日問題となった箇所の試訳です>id:Freitagさん。 Ipse enim deus iis corpus, id est Senecae causa omnia movens. [...]. Neque aliter alii: というのも、神自身がストア主義者たちにとっては物体、すなわちセネカが言うところの「すべてを動かす原因」…

アニメ制作費

このネタはまたたくまに広がって大量の考察が出回るとは思いますけど、いちおうメモ的に計算を。 http://guideline.livedoor.biz/archives/50976603.html http://www.kajisoku.com/archives/eid1771.html これによると、一話辺りの制作費が955万4千円。 これ…