2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
今書いている部分にかちりとはまるようなピースがまだ一つ足りないということで、今日は(天球を動かすものではなくて人間の知的能力を司る)知性についてスカリゲルが論じている箇所を読みました。彼によると脳みそが硬い人間は、理解するのは遅いけれども…
昨日ジョン・マードックが亡くなったという話をブログで取り上げたので、彼の代表的論文を読み返しました。The Cultural Context of Medieval Learning: Proceedings of the First International Colloquium on Philosophy, Science, and Theology in the Mi…
Early Science and Medicine誌の2011年第2号が届きました。古代(ガレノス)と初期近代(ティコ・ブラーエ)の占星術思想を扱った論文2本、宇宙論の大著を取りあげたエッセイレビューが1本、それに書評4本からなっています。また最近亡くなったジョン・マー…
今日は夜の数時間一つの代名詞の解釈に頭を悩ませていました。ラテン語でipsiというなんでもない単語です。これがどうしても文脈に合うかたちで理解できない。困りました。何としても引用したい場所にあるので理解できないままにすませることもできません。…
昼には中世思想研究所に行って、次の二冊を借り出してきました。どちらもNicholas of Autrecourtという有名な唯名論者の著作です。The Universal Treatise of Nicholas of Autrecourt (Mediaeval Philosophical Texts in Translation)作者: Leonard Kennedy…
Laus Platonici Philosophi: Marsilio Ficino and His Influence (Brill's Studies in Itellectual History)作者: Stephen Clucas,Peter J. Forshaw,Valery Rees出版社/メーカー: Brill Academic Pub発売日: 2011/07/30メディア: ハードカバー クリック: 3回…
読書をしてメモをとってもそのあと論文を書いていたりすると、ブログにまとめるだけの時間をとれないまま夜になってしまいますね。 納富信留「近代日本におけるプラトン『ポリテイア』の受容(下)」『思想』2011年3月号、No. 1043、47-75頁。 とうやく続編…
The Dynamics of Aristotelian Natural Philosophy from Antiquity to the Seventeenth Century (MEDIEVAL AND EARLY MODERN SCIENCE)作者: Cornelis Hendrik Leijenhorst,Christoph Luthy,J. M. Thijssen,Cees Leijenhorst出版社/メーカー: Brill Academic …
Matthew Anthony Doyle, "The Career and Students of Peter Lombard" (Ph.D. diss., University of Toronto, 2006). 中世思想研究所に所蔵されていたので借りてきました。イントロにあるこれまでの研究史のまとめが有用でした。ロンバルドゥスを扱ったもの…
中世の時間概念を扱った論集から、天使に特有とされた時間(aevum)について扱った基本的な論文を読みました。基本的な情報が余すことなくまとめられているだけでなく、結論部分には目の覚めるような考察も含まれています。The Medieval Concept of Time: St…
「何人の天使が針の上で踊ることができるか」というのはスコラ哲学の不毛さをあらわす代表的な問いとしてしばしば言及されます。この問いの起源に関する基本的な文献を読みました。 Edith Dudley Sylla, "Swester Katrei and Gregory of Rimini: Angels, God…
The Oxford Handbook of Philosophy in Early Modern Europe (Oxford Handbooks)作者: Desmond M. Clarke,Catherine Wilson出版社/メーカー: Oxford Univ Pr on Demand発売日: 2011/03/22メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ…
天使が占める場所について論じた論文を読みました。著者は中世天使学について数多くの作品をものしている大家です。 論文の前半ではロンバルドゥスからアクィナスを経て、オリヴィらフランシスコ会に属する人物たちの学説が解説されます。後半で扱われるのは…
早稲田大学イスラーム地域研究機構から出されている『イスラームにおける知の構造と変容:思想史・科学史・社会史の視点から』を入手しました。三村太郎、矢口直英、小林剛、中西悠喜、小村優太といった期待の研究者たちの論考が目白押しです。 小林春夫、阿…
雑誌『科学史研究』の最新号が発刊されました。 小特集「あたらしいベイコン像を求めて」が収録されています。目次は以下の通りです。科学史研究 2011年 03月号 [雑誌]出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/03/29メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 3回こ…