2010-01-01から1年間の記事一覧

『カルダーノのコスモス』復活計画

カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師作者: アンソニー・グラフトン,榎本恵美子,山本啓二出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2007/12/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 40回この商品を含むブログ (13件) を見る 『ミクロコスモス』の刊行に合わせ…

『ミクロコスモス 初期近代精神史研究』第1集発売中

ミクロコスモス 初期近代精神史研究 第1集作者: 平井浩出版社/メーカー: 月曜社発売日: 2010/02/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 17人 クリック: 658回この商品を含むブログ (34件) を見る 『ミクロコスモス』がついに発刊されました。今後のインテ…

『科学史研究』No. 256刊行

『科学史研究』の最新号が刊行されました。3本の論文、1本の入門記事、1つのシンポジウム報告、そして4つの書評を収録しています。ただまだ学会の公式サイトには目次が掲載されていません。掲載され次第ここでもお伝えしたいと思います。 とりあえず巻頭に収…

『ライプニッツ研究』創刊

2009年に設立された日本ライプニッツ協会が機関誌である『ライプニッツ研究 Studia Leibnitiana Japonica』の創刊号を刊行した模様です。気になる収録内容な以下のページから。 日本ライプニッツ協会 特別寄稿を合わせて8本の論考が並ぶ充実したラインナップ…

『新プラトン主義研究』第10巻が出た模様

新プラトン主義関係翻訳3篇 - ΑΤΑΚΤΑ こちらの記事によると雑誌『新プラトン主義研究』の第10号が出たようです。しかしヒロさんも日記に書いていますけど、収録内容がつかめません。せめてバックナンバーも含めた内容一覧をサイトに掲示しておいて貰えない…

説教者のコミュニケーション・ストラテジー

赤江雄一「中世後期の説教としるしの概念:14世紀の一説教集から」『西洋中世研究』No.2、2010年、9-20頁。 雑誌『西洋中世研究』の第2巻が届いたので、さっそく赤江さんの論考を読みました。 古代弁論術に由来する建築的記憶術が俗人向けの説教に利用されて…

悪魔と一緒に考える

Thinking With Demons: The Idea of Witchcraft in Early Modern Europe作者: Stuart Clark出版社/メーカー: Oxford Univ Pr on Demand発売日: 1999/11/25メディア: ペーパーバック購入: 1人 この商品を含むブログ (2件) を見る 15世紀初頭から18世紀初頭に…

熱海訪問

ヒロさんたちと一緒に熱海まで榎本恵美子さんに会いに行きました。榎本さんは日本でのカルダーノ研究のパイオニア的存在です。さまざまな論文のと並んでカルダーノの自伝である『我が人生について』と『一者について』という哲学小品の翻訳を行っています。…

アリストテレスのミクロコスモス?

アリストテレスは『自然学』8巻2章で「運動は以前にはまったく存在しなかったのにいつかそんざいするようになるということ」があると思わせるような論点を3つ挙げています。このうちの3番目のものは動いていなかった生物が動き出すという事実です。この生物…

音沙汰なし

クレアさんとヒロさんは無事日本に着いたのでしょうか?

20世紀前半の内モンゴル医療政策についての発表を聞いた

先日20世紀前半における内モンゴル地域での日本の医学政策についての発表を聞いて議論をしました。そこで一つ議論の焦点となったのが「モンゴル人」というもの。1932年以降、モンゴル人というと三つの政治的領域に分散していました。一つは満洲国という日本…

「石版!」を読めばいいと思うよ

「石版!」で2010年に読んだ本を振り返る記事が出されています。 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20101212/p1 ここであげられている一つ一つの記事を読んでいくだけでわくわくしてきますね。文章の一つ一つに隠し味がふってあって、連続して賞味している…

カルダーノの夢解釈

夢の解釈についてカルダーノが論じた本を調べました。 『シュネシオスの「夢」についての4巻』 Girolamo Cardano, Somniorum Synesiorum libri quatuor; les quatre livres des Songes de Synesios, 2 vols., ed. and trans. Jean-Yves Boriaud (Florence: O…

グラフトン『カルダーノのコスモス』再読

昨日と今日でグラフトンの『カルダーノのコスモス:ルネサンスの占星術師』を再読しました。この本のハイライトはカルダーノのプトレマイオス解釈を扱った第8章と、カルダーノ思想における占星術・夢占い・自然魔術を比較検討した第9章にありますね。今から…

『叢書 アナール』

叢書『アナール 1929-2010 歴史の対象と方法』 1 〔1929-1945〕 (叢書『アナール 1929-2010 歴史の対象と方法』(全5巻))作者: E・ル=ロワ=ラデュリ,A・ビュルギエール,浜名優美,井上櫻子,北垣潔,平澤勝行出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2010/11/24メディ…

スコトスにおける絶対的力と通常の力

Duns Scotus on the Will and Morality作者: John Duns Scotus,William A. Frank,Allan Bernard Wolter出版社/メーカー: Catholic Univ of Amer Pr発売日: 1998/03/01メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 午後は上智大…

一日お休み

今日は家に人が来たり、買い物に行ったりと一日中動きまわっていました。

神の絶対的力と通常の力

potentia absoluta/ ordinataの区別に関する以下の三本を読みました。 Henri Veldhuis, "Ordained and Absolute Power in Scotus' Ordinatio I 44," Vivarium 38 (2000): 222-230. William J. Courtenay, "The Dialectic of Omnipotence in the High and Lat…

『客観性』読了

Objectivity (Zone Books)作者: Lorraine Daston,Peter Galison出版社/メーカー: Zone Books発売日: 2010/11/05メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (3件) を見る ようやく読み終えました。科学活動における視覚表現の変遷…

ほぼなにもせず

今日はあまり何もしませんでした。ヨシさんからリクエストのあったものを調達し、リプシウス論集についてのヒロさんからの問い合わせにいくつか答えました。『ミクロコスモス』用の翻訳に着手しました。

ミクロコスモス原稿提出

『ミクロコスモス』用の原稿をヒロさんに提出しました。まだ完成というわけではなくこれから議論をして鍛え上げていきます。

中世における可能知性単一説批判

『ミクロコスモス』の論考準備の一環として、トマス・アクィナスによる可能知性単一説反駁を扱った論文を読みました。 水田英実「可能知性単一説に対するトマスの論駁」『福井大学教育学部紀要 第I部 人文科学(哲学編)』第36号(1987年)、1-25頁。 http:/…

カルダーノの知性論、霊魂論における光の比喩

今日はカルダーノ『霊魂の不死性について』の第13章を読んでいました。 カルダーノによれば神から力が発して、それが天を通って地上までたどり着いています。この力は「精神mens」とも呼ばれ、光にたとえられています。たとえば人間の場合この精神が体の形相…

ここまでの調査 カルダーノのアヴェロエス、テミスティオス、テオフラストス解釈について

カルダーノ「アヴェロエス、テミスティオス、テオフラストスは霊魂は不死で一つだと言っている」→これはテミスティオスの知性論(そこでテオフラストスも引かれている)を霊魂論としてカルダーノが解釈しているんだな。→いやテミスティオスとテオフラストス…

古代新プラトン主義の概説

哲学の歴史〈第2巻〉帝国と賢者 古代2作者: 内山勝利出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (16件) を見る 本書に収録されている山口義久「プロティノスと新プラトン主義」を読みました…

アマゾンイタリアが開店!

Amazon.it: elettronica, libri, musica, fashion, videogiochi, DVD e tanto altro ついにアマゾンイタリアが開設されました。これまであまりの郵送費の高さに買うのが難しかったイタリア語の本がついに気軽に手に入れられるようになりました。試しにヒロさ…

ヴェルニアとニフォの宇宙論

Edward P. Mahoney, "Philosophy and Science in Nicoletto Vernia and Agostino Nifo," Scienza e filosofia all'Universit〓 di Padova nel Quattrocento, ed. Antonino Poppi (Trieste: Edizioni Lint, 1983), 135-203. マホーニィの続き。これまた長尺の…

鈴木『古代末期禁欲論とエヴァグリオス』

古代末期禁欲論とエヴァグリオス作者: 鈴木順出版社/メーカー: リトン発売日: 2010/01メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログを見る 2009年1月に亡くなった鈴木順さんの遺稿をあつめ一冊としたものです。今日書店で目にするまでこのような本が…

ルネサンスイタリアのアリストテレス主義と新プラトン主義

Edward P. Mahoney, "Agostino Nifo and Neoplatonism," in Il neoplatonismo nel Rinascimento, ed. Pietro Prini (Rome, 1993), 205-231 [reprinted in Mahoney, Two Aristotelians of the Italian Renaissance: Nicollo Vernia and Agostino Nifo (Alders…

ルネサンスのプラトンとアリストテレス

マホーニィの論文集を読んでいます。連続して読むと金太郎飴みたいに同じことが書いてありますな。 「アゴスティノ・ニフォの主張におけるプラトンとアリストテレス」 Edward P. Mahoney, "Plato and Aristotle in the Thought of Agostino Nifo (ca. 1470-1…