「そのつど支持層」の時代 - 変容する無党派層の意識・行動

 今日の朝日新聞に掲載されている上記記事はかなり興味深いです(ウェブ上にはないのでしょうか)。
 無党派層無党派層と私たちはいっていますが、そういえば「無党派層」という言葉が登場したのは、東京と大阪に政党の支持を受けない知事が誕生したときでした。
 それからしばらくは「政党の支持を受けていない」ということが投票の際の一つの規準となり、同時に積極的な価値を持っていました。だから無所属の立候補者が増えたわけです。
 対して、今回の選挙で「政党の支持を受けていない」ということがプラスに働くとは到底思えません。むしろ確実にマイナスでしょう。
 したがって「政党支持を受けていない候補者を積極的に支持する無党派層」という意味での「無党派層」という言葉はすでに有効ではありませんし、そのような有権者の数も多くありません。
 要するに同じ無党派層という言葉が使われていても、当初は「積極的に支持する政党がなく、しかも政党の推薦を受けていない候補を支持する層」という意味が濃厚だったのですが、今では単に「積極的に支持する政党がない」という意味になっています。そして今の無党派層は政党(や党首)を重視するのです。
 この記事の著者である松本正生氏も指摘しているように、「無党派層」という言葉自体を見直したほうがいいかもしれません。