ドイツ哲学

 id:kamo_negitoroさんが、第2外国語に関して書いていたので、関連する話題を。 
 先日紹介した
 

The Cambridge History of Philosophy 1870?1945

The Cambridge History of Philosophy 1870?1945

ですが、これはタイトルからも明らかなように1870年から1945年までをカバーしています。これはちょうど普仏戦争から第二次世界大戦の終わりまでの期間です。つまり、ドイツが名実共にヨーロッパの列強の仲間入りをした時期から、第二次世界大戦によって崩壊するまでの時期をカバーしているわけです。
 そしてこれまた先日紹介したMichael Beaneyによる書評のタイトルは「ドイツ哲学の隆盛と衰退」となっています。つまり、普仏戦争から第二次世界大戦の間のヨーロッパ哲学は、ドイツを中心に展開し、それ以後はアメリカやフランスに哲学の中心が移ったという哲学史の捉え方が明確に出ています。
 Beaneyはドイツ哲学という呼称は、同時代のドイツの哲学を指すのではなく、ギリシア哲学がそうであるように、過去にドイツ文化圏で行われた哲学を指すものになっていくだろうと書いています。