自民党は年金番号の統合と年金記録の名寄せを同一視しているのかな

 年金に関する自民党のパンフレット第2弾が出ました。そんなものどうでもいいのかもしれません。でも気になることがあるのです。このパンフレット、自民党のホームページのトップから行けるようになっています。

 気になるのは次の箇所です。

この5,000万口は消えたのではありません。
基礎年金番号への統合が済んでいない件数なのです。
政府・与党は今後1年間ですべての統合を完了させます。

 ふむ。もう一度よく見てみます。

政府・与党は今後1年間ですべての統合を完了させます。

 これ以上ありえないくらいはっきりと、統合を完了させると書かれています。

 でもこれ、名寄せの間違いではないですか?基礎年金番号を統合するためには、データの突合せを行った後に、該当者への通知を行う。それから面談を行う。その面談で過去の職歴を確認する。こういうことをしないといけないわけです。これを1年でやるのは原理的に不可能だと思います。今後1年で行うことができるのは、あくまでデータの突合せによる名寄せだけです。統合なんてできっこありません。

 しかし、このパンフレットが不思議なのは、この箇所以外ではすべて、「統合」ではなく「名寄せ」という単語が使われている点です。

名寄せ完了!

今後1年間で、この未確認年金記録5,000万口すべての名寄せを完了させます。

今後1年で未確認の年金記録5000万口の名寄せを全て完了。

 確かに名寄せだけならデータの突合せだけでできます。これならがんばれば1年で終わるかもしれません(本当に終わるか知りませんが)。

 とすると、最初の

統合を完了させます。

というフレーズはなんなのでしょう。

 繰り返しになりますが、基礎年金番号の統合と、年金記録名寄せは別のことを意味します。正確には、名寄せが終わってからひたすら作業を続けなければ統合は終わりません。それなのに、統合を1年間で完了させると自民党のパンフレットは確約しています。少なくとも一箇所では。それもかなり目立つ箇所で。

 何が起こっているのかよく分かりません。こんな意味不明なことが生じたのは、

  • パンフレット製作者が名寄せと統合の違いが分かっていない

からでしょうか。あるいは、

  • 違いがあると分かっていながら、目立つ部分ではあえて統合と書いて受けを狙った

のでしょうか。

 どっちなのかは分かりません。ただこのパンフレットをつくったのが片山さつき氏なら…。