Aristotle and the Renaissance (Martin Classical Lectures)
- 作者: Charles B. Schmitt
- 出版社/メーカー: Harvard University Press
- 発売日: 1983/03/08
- メディア: ハードカバー
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シュミットによると、ルネサンスのアリストテレス主義では、プロテスタントのアリストテレス主義者がカトリックのアリストテレス主義者から影響を受けることはあっても、カトリック側がプロテスタント側から影響を受けることはほとんどなかったらしいです。アリストテレス主義時代の規模としてはプロテスタント側のほうが大きかったにもかかわらずです。確かにスカリゲルはプロテスタント圏で広く読まれた一方で、メランヒトンの哲学をカトリック側が積極的に採用したというのはあまり聞いたことがありません。
この現象に対してシュミットは、カトリック側の方が検閲が厳しかったかもしれないという可能性を挙げつつも、説得力がないとして退けています。とはいえ彼自身別の説を提示できたわけではなく、「別の説明のしかたがあるのかもしれない」と歯切れの悪い書き方で終わってしまっています。