ふぅ

 イスラム学研究室所属の友人の修士論文がようやく完成しました。収穫として,シャムスッディーン・ムハンマド・イブン=ハムザ・ファナーリー(1431年没)の存在一性(一元)論についてかなり詳しくなりました。時代がこのあたりまで下ると,使われている語彙は依然としてアリストテレスに由来するものが中心であるにもかかわらず,アリストテレスの名前はほとんど登場しません。代わって議論の基礎になっているのが,イブン・シーナーです。でも,15世紀になるとすでに彼すら直接的には読まれていないことが多いです。何しろ長すぎるので。代わりに彼の著作の要約が編まれそれが流布していたようです。