ベーコン研究8

 昨日紹介したManzoによるスペイン語で書かれたベーコン研究書の中から,テレジオ批判,神話解釈,物質の能動性について書かれた箇所を読みました.特に能動性について論じた部分は非常によくかけていました.ただし私が行いたいのとは違う角度から論じています.

 続いてDe Francoのテレジオ入門で,ベーコンが扱われている箇所を読みました.人の論文を手厳しく批判している割にはDe Franco自体の論述には内容があまりありません.

 さらに続いてGemelliがベーコンの神話論を扱っている箇所を読みました.『原理と起源について』の時点ですでに『ノウム・オルガヌム』で展開されることになる「plicae」の着想をベーコンが得ていたと論じています.しかし1612年前後に『原理』が書かれたとするリーズの推定が正しいとすると,『ノウム・オルガヌム』までに8年間の時間差が生じます.これは意見を変更するのに十分な時間です.なのでリーズの仮説を受け入れるなら,Gemelliの意見を採るのは難しくなります.

 さて本当なら『Confession of Faith』と『Sacrae meditationes』を読んでから原稿の執筆に移りたかったのですけど,来週の金曜日までもう時間があまりないので,明日から原稿の構想作りに本格的に取り組まないといけません.