シンポジウム<ヴィヴァ、カラマーゾフ!>

 ついに開催されます。『カラマーゾフの兄弟』新訳シンポジウム。

いまやロシア文学が最先端?

 ロシア文学の面白さが、光文社の古典新訳文庫で続々と刊行された清新な訳を通じて、再発見されつつあります。
 特に多くの読者を獲得し、話題になっている亀山郁夫氏による『カラマーゾフの兄弟』新訳完成を機に、ロシア文学の魅力と古典新訳の意義について語り合うシンポジウムを開催することにいたしました。
 光文社より豪華プレゼント(抽選で亀山訳『カラマーゾフの兄弟』全5巻箱入セット等)も準備されています。
 入場無料、予約不要です(先着順。ただし満員の場合、立ち見をお願いすることもありますので、あらかじめご諒承ください)。

http://www.kotensinyaku.jp/news/event/content06.html

 7月22日日曜日。って今日ですね。場所は東京大学文学部、法文2号館2階1番大教室です。14時から17時までの長丁場ですけどがんばりましょう。ええ、これは行きますよ。

<ヴィヴァ、カラマーゾフ!>は物足りなかった

 多くの人が来ていました。会場では椅子が足りなくなって立ち見まで出る始末。

 でも会場に詰め掛けた聴衆の熱気に反して、シンポジウムの内容自体は正直言って少し物足りなかったです。

 特にマイクを通して聞こえる音量が小さすぎて講演者の発言が聞き取りにくくなっていたのは問題だったと思います。主催したのは文学部の現代文芸論研究室とのことで、次回からは気をつけた方がいいかも。

 講演の内容自体も聞いていて興味深いというものはあまりなかった気がします。パネリスト間での討議もどうもかみ合っておらず、適当に言いたいことを言い合っているような印象を受けました。

 『カラマーゾフの兄弟』を語るセクションも時間が一時間しかないために、面白いところにさしかかりそうになったと思ったら終わってしまいました。

 とまあ、全体的に物足りなさが漂うシンポジウムでした。

 沼野充義氏が「ロシア文学に対するこのような関心の高まりが亀山カラマーゾフの完結から来る一時的なものにとどまらないことを祈りたい」という内容のことを述べておられました。でもそれならなおのこともう少しシンポジウムはしまりのあるものにして欲しかったと思います。