<ヴィヴァ、カラマーゾフ!>は物足りなかった

 多くの人が来ていました。会場では椅子が足りなくなって立ち見まで出る始末。

 でも会場に詰め掛けた聴衆の熱気に反して、シンポジウムの内容自体は正直言って少し物足りなかったです。

 特にマイクを通して聞こえる音量が小さすぎて講演者の発言が聞き取りにくくなっていたのは問題だったと思います。主催したのは文学部の現代文芸論研究室とのことで、次回からは気をつけた方がいいかも。

 講演の内容自体も聞いていて興味深いというものはあまりなかった気がします。パネリスト間での討議もどうもかみ合っておらず、適当に言いたいことを言い合っているような印象を受けました。

 『カラマーゾフの兄弟』を語るセクションも時間が一時間しかないために、面白いところにさしかかりそうになったと思ったら終わってしまいました。

 とまあ、全体的に物足りなさが漂うシンポジウムでした。

 沼野充義氏が「ロシア文学に対するこのような関心の高まりが亀山カラマーゾフの完結から来る一時的なものにとどまらないことを祈りたい」という内容のことを述べておられました。でもそれならなおのこともう少しシンポジウムはしまりのあるものにして欲しかったと思います。