リウィウス注釈書

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A Commentary on Livy, Books Vi-X

A Commentary on Livy, Books Vi-X

が届きました。ローマの歴史家リウィウス(紀元前59頃‐17頃)の『ローマ建国以来の歴史』第6巻に対する注釈書です。この注釈書は、第6巻から第10巻までをカバーする(これはローマがイタリアを統一していく時代を扱っています)もので、この11月についに完結します。↓が続編です。
 A Commentary on Livy, Books Vi-X: Books Vii-VIII
 Commentary On Livy Books Vi-x
 A Commentary on Livy: Books VI-X

 うーん、すさまじい。届いた本を手にとってパラパラ見てみたのですが、イントロダクションが379ページ、注釈部分が340ページほどあります。これがあと三冊続くんですからね。
 著者のOakleyという人は、この本が1996年に出るまでには、ほとんど何の業績もなかった人で、博士号を取ってから12年間この注釈書の準備にひたすら明け暮れていたそうです。序文にも「何にも業績もない僕にお金を出してくれてありがとう」なんて書いてあります。
 ラテン文学の注釈書といえば、最近ではNisbetという学者がホラティウスの『歌集』につけたものが有名ですけど、これもそれに匹敵する地位を獲得するんでしょうねぇ。
 イントロを読んでいて面白かったのは、Oakleyが6巻から10巻の執筆年代を紀元前30年から25年のあいだにおいていることです。
 すると、『ローマ建国以来の歴史』のこの部分は、ウェルギリウスアエネーイス』、ホラティウス『歌集』、『書簡詩』、プロペルティウスの3巻と4巻、オウィディウスの全作品よりも前に書かれたことになります。確かにそう言われてみればそうですね。