アリストテレスの原因論

 アリストテレスといえば質料因、形相因、作用因、目的因の4原因が少しだけ有名ですが、これは形而上学』3巻2章、および『自然学』2巻3章で説明されています(両者はほとんど同じ)。
 最近気がついたのですが、アリストテレスにはこれ以外にも原因論があって、たとえばAristoteles, Metaphysica, 1169b33-35

こうして、それゆえに、原因・原理は三つある。その内の二つは反対的に対立するもので、その一方は説明式または形相であり、他方はその欠如態である。そして第三の原因は質料である。

とあります。まあ、細かいところは相変わらず意味不明ですが、とにかく原因が三つになっています。
 この箇所に出隆(訳者)がつけている注によると「このように原理・原因を形相と質料の二つ(または四つ)としないで形相の欠如態を加えて三つとする分け方は、この〔『形而上学』〕第12巻をなす論文が『自然学』と同じく比較的に早いころの著作であることを示す。」だそうです。
 今度専門家に聞いてみますが、この辺の研究はどうなっているのでしょうね。