プラトンの原因論

 プラトン原因論アリストテレスに輪をかけて分かりません。ただ違う世界に旅立っていっていることは分かります。

「無限はこの宇宙全体の中にたくさんあり、また限度も充分にある、そしてこれらの上には決して非力ではない原因があって、宇宙的な秩序をつくり、年や季節や月などの決まりを定めているのであって、これは知恵とか知性とかいわれてしかるべきものであろう。(『フィレボス』)」

 だそうです。。。どうやら原因=神さまになっているようです。
 紀元後1世紀のローマの哲学者であるセネカも、プラトンの原因につ論いて述べていて、

原因は五つある。それがプラトンの説だ。つまり、素材、行為者、輪郭、手本、目的であり、それらの末に結果が生じる。(中略)これらをべてを世界も有している。作り手とは神であり、素材とは質料であり、形とは私たちが見ている世界の形状と秩序、範型とは、言うまでもなく、神がこの偉大で最も美しい作品を作るのに手本をしたもの、意図とは神がそれを作った目的だ。神の意図とはどのようなものかと尋ねるのかね。善性だ。(『倫理書簡集』65)

としています。
 また紀元後1世紀から2世紀にかけて活動したプルタルコスの作品と見せかけて、実は偽作の『哲学者たちの原理について』という書物が残っているのですが、そこには

プラトンは三様のやり方で原因を提示した。すなわち、行為者と素材と目的である。そして最も重要なものを行為者としての原因であると考えた。それは生成を行う原因であり、知性なのだ。

とあります。先のセネカからは、原因の数が減っています(-_-;)。結局プラトンの原因説についてはみんなよくわからなかったのでしょうか。