ようやく読み終えました。
- 作者: Saul Fisher
- 出版社/メーカー: Brill Academic Pub
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: ハードカバー
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基本的な問題意識はかなり明確な本です。
ガッサンディという人は、すべての認識の基礎*1は感覚にあると考える点で経験主義者です。そして同時に物質理論としては原子論を採用しています。
しかし17世紀の時点で、原子論を感覚に基づく知識だけを用いて正当化することができたのでしょうか。原子論者であることと経験主義者であることは果たして両立しえたのでしょうか。
こういう問題意識(伝統的なものです)と、さらに主としてジョイという人の研究に対する批判的スタンスをもとに構想を立てている印象を受けました。
まだうまく整理できていない点があるのですが、いづれまとまったことを書きたいと思います。文句を言い出せばキリがない研究書なので、なるべくいい点を見つけ出して推奨してみたいのですが…。
*1:神学は例外。