伊吹文明文部科学大臣の事務所費に関する問題についてまとめてみました。
1. 基礎的な情報
- 1.1. 問題となっている伊吹氏の政治団体
- 1.2. 名風会の事務所費
- 2002年 4267万1421円*1
- 2003年 4770万811円
- 2004年 4786万4960円
- 2005年 4146万1322円
- 合計 1億7969万8514円
- 1.3. 構造改革研究会の事務所費
- 2003年 0円
- 2004年 285万2千円
- 2005年 590万4830円
- 合計 875万6830円*2
- 1.4. 事務所の所在地
両団体とも議員会館(家賃はかからない)
- 1.5. 事務所費の用途(伊吹大臣側の説明)
- 名風会の事務所費
伊吹氏の事務所は、明風会について「収支報告書には事務所を議員会館と報告しているが、実際の活動は京都市や東京都千代田区にある事務所でも行っており、 半額は両事務所の賃料を計上していた」と説明。その上で「議員などの会食費など年間500万〜600万円を事務所費として計上していた」と説明した。*3
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- 構造改革研究会の事務所費
「(収支報告書に記載されている事務所費は)交際費やお返し代、ご苦労様代、たまに集まってやっている飲食代に使った」*4
2. 規定の整理
- 2.1. 事務所費とは
事務所の借料損料(地代、家賃)、公租公課、火災保険金等の各種保険金、電話使用料、切手購入費、修繕料その他これらに類する経費で事務所の維持に通常必要とされるもの。*5
政治団体には二つの種類がある。
政治資金管理団体の場合、事務所を議員会館においても問題ない。
資金管理団体に指定されていない政治団体の場合、事務所を議員会館に置くことは、違法ではない。
しかし、94年の衆議院議院運営委員会は、政治資金管理団体以外の団体が、議員会館を「事務所等に使用することは許さない」と決めている*7。
*1:2002年度の報告に関しては平成15年9月12日官報から抜粋しました。残りはhttp://www.seijishikin.soumu.go.jp/より抜粋。
*2:http://www.seijishikin.soumu.go.jp/より抜粋。
*3:http://www.asahi.com/national/update/0110/TKY200701100301.html?ref=rss
*4:http://www.asahi.com/national/update/0111/TKY200701110400.html
*5:2007年1月13日朝日新聞朝刊社説より抜粋。この社説ではこの規定が政治資金規正法の施行規則に記されているとある。しかし、実際に施行規則をここで調べてみても、このような規則は存在しない。赤旗のこの記事を信用するならば、これは施行規則ではなく、自治省(現総務省)の選挙部政治資金課が編集した『逐条解説 政治資金規正法』(ASIN: 432406864X)という書籍に含まれている解説である。