救済策のために政争を

政争より救済策が優先だ(産経新聞

衆院では、年金不信を払拭(ふっしょく)する地に足の着いた論戦が行われたとは、とても言えない。(読売新聞)

 こういう書き方はどうかと思う。国会をまじめに見ていればこういう書き方はできないはず。
 年金の問題は国会の終盤になるまでは、まったく問題になっていなかった。この問題がこの国でここまで取り上げられるようになったのは、民主党が実際に年金の給付を受けられなかった人の実例を持ち出して厚生労働委員会で騒ぎはじめてから(3週間前からかな)。だから、この問題を顕在化させたという点での民主党の役割は評価されるべき。
 そもそも今回与党が通した救済案にしても、民主党がしかけた政争の結果生まれたものだ。法案民主党がこの問題で騒ぎ出した当初は、与党は「いたずらに国民の不安をあおるべきではない」と突っぱねていた。しかし、いまの与党案は民主党案の丸呑みに近い。国民の不安があおられた結果、与党の譲歩を引き出せたのだから、「政争より救済策」という主張はまるで実態を理解していないことになる。救済策を示すためには、まず政争を行うことが必要だった。
 あとid:finalventさんは、背景に金利の問題と書かれているけれど、これはそんな高級な問題ではないと思います。要するに「パンとサーカス」のパンの部分に有権者が劇的に反応しているだけではないかと。
 しかし救済案を総務委員会も通さずに出して、一日で採決にまで持っていくとは、自民党もすさまじいあせり具合ですね…。