パーゲルまとめ

 スカリゲルもシェキウスもゼンネルトも、そしてハーヴェイも同じ問題の周りをぐるぐる回っています。彼らの頭の中には、取りうる立場とその立場に対して予想される反論というのがすべてセットになって収まっています。生命の起源について、一連の議論の型が少なくともスカリゲルにいたるまでに成立していたと言えます。

 おそらく中世以来徐々にこの型は形成された来たのではないかと考えられます。しかし、この問題に対して一番包括的な説明を与えているパーゲルは、アルベルトゥス・マグヌスを検討した後、いきなり16世紀の人物に議論を移してしまいます。また16世紀にパドヴァでなされた魂についての議論には言及していません。

 だからパーゲルに依拠することで、スカリゲルがシェキウス、ゼンネルト、ハーヴェイとどう違うのかといった議論はできるものの、スカリゲル自身の知的背景を明らかにしようと思うとどうしても材料が足りなくなってしまいます。

 次は Adelmann に行こうと思います。