ERIH - 雑誌格付け

 愛読させていただいているkenjiitoさんのブログから。


 European Science Foundation が European Reference Index for the Humanities (ERIH) というプロジェクトを立ち上げて,人文科学に関係する雑誌の格付けを行おうとしているようです。ただし,ヨーロッパ言語で書かれていない雑誌は格付けに含まれません。

 将来的にはこの格付けに基づいて研究費の交付を行うことを考えているようです。「このプロジェクトは一番上のクラスの雑誌に論文を載せているからお金をあげよう」,「このプロジェクトは(たとえば)ラオス語で出版されている雑誌にしか論文を載せていないからもうお金はあげない」といった感じでしょうか。

 で,科学史や技術史の代表的雑誌の編集者たちは,自分たちの雑誌がこの格付けに含まれることを拒否しました。いわく

 他方,ERIHは[研究成果の]質と国際性を混同している[=雑誌がどれほど多くの国でどれほど多くの読者読まれているかということと,雑誌の質が比例関係にあると考えている]。この混同の仕方はとりわけ専門家,及び非ヨーロッパ言語で出版されている雑誌に対して偏見を抱かせるものである。

 The ERIH, on the other hand, confuses internationality with quality in a way that is particularly prejudicial to specialist and non-English language journals.

 私が入っている日本科学史学会は Historia scientiarum という英文誌を発行しています。編集部はどう対応するのかな。もう一つ入っている日本哲学学会は欧文誌を発行していないので今回の問題とは関係ないですね。