Gaertner、『黒海からの手紙』第1歌注釈

 上記記事でメレアグロスさんが紹介されている注解書、私も使ってみました。

 素晴らしい出来です。最近よくある無駄に長いだけで中身がない注釈書とは対照的に、本書にはなるほどと唸らされる指摘が随所にちりばめられています。最初の歌なら、11行目 nullo laeso について、29行目 admitte の部分など。逆に不満が残る点としては、26行目の tamen の位置はかなり特殊なものだと思うので、著者お得意のパラレル引きを駆使して分析してほしかったです。とにかくこの調子で第4歌まですべてやってほしいですね!

Ovid: Epistulae Ex Ponto, Book 1 (Oxford Classical Monographs)

Ovid: Epistulae Ex Ponto, Book 1 (Oxford Classical Monographs)