世界霊魂研究その19 復帰 Gregory, Anima del mundo

 さて今日から気を取り直して研究です。まずはグレゴリーによる世界霊魂説の歴史についての概説を読みます。

→読みました。よくまとまっていて勉強になりました。

  • Tullio Gregory, "Anima del mundo," Bruniana & Campanelliana 12 (2006): 525-35.

興味深かったのがコンシュのウィリアムの発言です。彼によると同時代には世界霊魂について3種類の立場がありました。第1は世界霊魂を聖書に現れる聖霊と同一視するもの。第2は神から事物に与えられた自然的な活力(naturalis vigor)と考えるもの。第3は何らかの非物体的な実体とみなすものです。すでに13世紀の時点で世界霊魂を各事物に宿る自然的な力とみなす人たちがいたのですね。もちろんそれ以前にストア派がいたので、そこまで驚くべき事態ではないのかもしれませんけど。