http://www.histec.me.titech.ac.jp/course/kiyou13.htm
東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻技術構造分析講座が発行している雑誌の最新号が研究室に届きました。
野澤聡さんの博士論文である「ヨハン・ベルヌーイの力学研究:18世紀力学史における位置付けと再評価」の要旨が掲載されているのが注目ですね。
佐藤研『はじまりのキリスト教』 - 岩波書店
- 作者: 佐藤研
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/07/22
- メディア: 単行本
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初期のキリスト教についての佐藤研さんの論文がついに出されました。ついにというほど待っていたのは少ないかもしれませんけど…。
とりわけ関心を引くのは序章と最終章でしょうか。特に最終章は新約聖書を読めば誰しも度胆を抜かれる挿話を扱ったものです。それはイチジクの木の物語と呼ばれていて、『マルコ福音書』次のように書かれています。
さて翌日、彼らがベタニアから出て来た時、彼[イエス]は飢えを覚えた。そして一本のイチジクの木が葉をつけているのを遠くから見て、そこに何か見つかるかも知れないと思い、[そこへ]行った。しかし、やって来ても、葉のほかには何も見いだせなかった。イチジクの時節ではなかったからである。そこで彼は応えてその木に言った、「今から永遠に、誰一人お前から実を食べるもののないように」。そして彼の弟子たちはこれを聞いていた。(中略)そして彼らは、朝早く通りがかりに、例のイチジクの木が根本から枯れてしまっているのを見た。そこでペトロは思い出して彼に言う、「ラビ、ご覧なさい、あなたが呪ったイチジクの木が枯れてしまっています」。
なんという俺様論理!とにかくこの話をどのように解釈するべきかというのが述べられています。私はマルコ福音書の執筆年代がいまだによくわからないので佐藤さんの解釈が正しいかどうか判断できません。