おべっか

 上で書いたキケローのおべっかはこんな感じ。

Nullius tantum flumen est ingeni, nullius dicendi aut scribendi tanta vis, tanta copia, quae non dicam exornare, sed enarrare, C. Caesar, res tuas gestas possit.
「マルケッルス弾劾」4節

ガイウス・カエサルよ、あなたの成しとげた業績を飾り立てるとは言わないまでも、それを十分に語ることができるほどの豊富な才能、そして話すことにおいてであれ書くことにおいてであれ、それほどの力量や蓄えを有しているものは誰もいない。

演説中ずっとこんな感じです。

この演説に関して岩波の解説にこう書いてありました。

〔この「マルケッルスについて」に関しては〕古くは偽作説が唱えられたこともあり、19世紀のあるドイツ人学者は「内容空疎、ほとんどラテン語の体をなしていないところも多く、全体として不器用で、愚昧で、滑稽である」と酷評した(自分はローマ人以上にラテン語がよくわかると言わんばかりの独断的な文体評価は、特にドイツ系の学者に時折見られる

しかし、この岩波の「マルケッルスについて」の翻訳はちょっと言葉がこりすぎでは・・・。

「外つ国」ってあるんですけど、これが「とつくに」って。。。さらに「文字」ってあってこれに「もんじ」ってルビがふってあります。