『キケロー弁論集』

キケロー弁論集 (岩波文庫)

キケロー弁論集 (岩波文庫)

発売日だったので早速買ってきました。訳文をぱらぱらめくったのですが、もとの『キケロー選集』版のほうでは間違っていた箇所がさりげなく訂正されています(いや末尾の解説にも訳文に手を入れたことが書いてありますけど)。
 だから、訳としてはより正確になっていると思います。
 収録されている演説のラインナップは
カティリーナ弾劾
ルキアース弁護
ピーソー弾劾
マルケッルスについて

の四つです。
 「カティリーナ弾劾」はキケローの演説の中で一番有名なもので、キケローといえばこれです。
 アルキアース弁護は、キケローの文学観が見られる貴重な演説。
 「ピーソー弾劾」はキケローの演説の中でも特にその毒舌が冴え渡っていることで有名な演説です。
 最後の「マルケッルスについて」はカエサル独裁開始後に当のカエサルの前で行われた演説で、おべっか満載で愉快な演説です。
 いや、こんないい加減な紹介でいいのかは知りませんけど、とにかくこういう四つの演説が入っています。選出としてはすごくいいと思います。内容的にも時期的にもヴァリエーションに富んでいます。
 こうなったら、キケロー最大の演説である『ウェッレース弾劾』や、暗殺前の最後の演説『アントニウス弾劾』も文庫にしてほしいですね。
 とにかくこの『キケロー弁論集』、オススメの一冊です♪興味のある人はぜひ。