シンプリキオスかプリスキアノスか

 ギリシア人注釈家→イブン・シーナー以前の伝承→イブン・シーナー

と話が展開していきました。来週はイブン・シーナーをシリア語に訳したバルヘブラエウスの話になるそうです。ヘブライ語の話まで登場してもはやついていけない(涙)
 

>prokoptonさん

 僕がうわごとのように言っていた論文は

Hadot, Ilsetraut   SIMPLICIUS OR PRISCIANUS? ON THE AUTHOR OF THE COMMENTARY ON ARISTOTLE'S DE ANIMA (CAG XI): A METHODOLOGICAL STUDY
  Mnemosyne.55(2)  159-[41p]  2002  (ISSN:00267074)

でした。僕は最初の方しか読んでいません。。。
 以下はprokoptonさんのレジュメからの引用です。

 すでに1602年にFrancesco Piccolominiがこの註解〔『魂について註解』〕はシンプリキオスの作ではなくプリスキアノスの作であるとする説を提示していたが、その説をSteelは擁護している。
 このプリスキアノスに帰す説に対してLautnerは疑問を呈し、Blumenthalはこの註解がシンプリキオスの講義録に編集者(プリスキアノス?)の筆が加えられたものであるとする新たな解釈を提案している。

 シンプリキオスの名で伝えられている『魂について註解』が、本当にシンプリキオスの作品なのか?という点でもめているわけですが、上のHadotの論文は、シンプリキオス著者説をがむばって擁護しています。