百科全書

百科全書―序論および代表項目 (岩波文庫)

百科全書―序論および代表項目 (岩波文庫)

 『百科全書』にダランベールが付している序文を読んでいます。非常に興味深いです。

 無知の幾世紀の自称学問なるものの全体をなしたスコラ学が、この光明〔啓蒙〕の最初の世紀における真の哲学の進歩に障害となった。
 いわば記憶にないほどの遠い昔からアリストテレスの教説はもとの姿のまま保持されている、と信じられていた。
 ところが実は、それは古代のアラビア人たちにより注釈されて数多くの不条理ないし幼稚な附加物で変質されたものだったのである。

 ディドロの『哲学書簡』もなんだかすごいです。

 率直に言って、誤ることのないアリストテレス、神と崇められるプラトン、精妙博士、天使博士という名前にぶつかったとき、私はこうした形容詞は全部あだ名だと思った。
 私の見たところ、人間の霊魂について論じてきた哲学者たちは、まさに威勢のよい言辞や愚にもつかぬむだ話に明け暮れしている盲人たちそのもので、この盲目どもが自分たちは鷲のような遠くまで見通せる眼力を持っているとやっきになって人に信じ込ませようとすると、ほかの物見高いばかな盲目たちがその言葉を鵜呑みにして、そのうちには自分たちも同じように何かが見えるような気になってしまうのである。