Warehouse Dealsについてはアマゾン側の言い分に理があるのではないでしょうか。

 Warehouse Dealsとはアマゾンが行っている次のようなサービスです。

Warehouse Deals®について
Warehouse Dealsは、Amazon.com Int'l Sales, Inc.がマーケットプレイスに出品する際の別称であり、 Amazon.com グループの一部です。Warehouse Dealsは、返品された商品、軽微なキズのある商品等を、値引き価格でマーケットプレイスに出品しています。Warehouse Dealsが出品している商品については、Amazon.co.jpが発送やカスタマーサービス業務を行います。(強調引用者)

Amazon.co.jp出品者プロフィール:Amazonアウトレット

 返品された本は古書として扱うことができるのだから、再販制度には左右されないというのがアマゾンの主張です。たぶんキズがついた本も同じように中古品とみなしているのでしょう(ただこれは確認していません)。

 それに対してウラゲツ☆ブログさんの意見では「再販制に照らしてみて、warehouse_deals_jpは問題がある」。返品やキズがついた商品を古書として値引きして販売することは「リアル書店ではできません」。他の書店ができないことを「なぜアマゾンが堂々とやっているのか」。

 問題はどのような過程を経た場合に、本を古書とみなすかということになりますよね。出版社から取次ぎを経て書店へと回った時点では本は新品です。再販制度の対象になります。書店で本が売れ、一度消費者の手に渡り、消費者がその後書店に対してその本を売れば、それは古書になります。再販制度から外れます。

 しかし、その渡り方が販売→返品という過程を経たものである場合、書店に戻ってきた本を古書とみなすことができるのか。アマゾンはこれにイエスと答え、ウラゲツ☆ブログさんはノーと答えるわけです。

 だどった過程だけに着目すれば、消費者の手に一度渡りその後書店に戻ったという点で、普通の古書も返品も違いはありません。これは古書なんだと言われてしまえば、私としては有効な反論は思い浮かびません。

 もちろん、返品されてきた本を出版社が新品として販売しているということはあります。でもその場合の返品というのはあくまで書店からの返品なのではないでしょうか。消費者からの返品を経て戻ってきたものも、慣例として新品として販売しているのでしょうか。これは私にはわからないのでスルー。

 また、リアル書店はできない行為だというのも、法理として有効かどうかは疑問です。

 ただ軽微なキズのある商品として扱われる本を古書として販売するのはどうなのかどうなのかな、と思います。キズがついた状態で返品されたきたものは古書とみなしてよいと思います。しかしアマゾン側の保管過程でキズがついた場合のものまで古書とみなすというのは、古書の定義から外れているように感じます。

 いや実際にキズをつけた書籍をアマゾンが古書として扱っているかどうかを私は知らないのですけど。

 というわけでとりあえず現時点では、返品された本を古書として売るアマゾンの行為が再販価格維持制度に抵触しているとは私は思いません。