スカリゲルの『ティマイオス』解釈
スカリゲルによると、プラトンは『ティマイオス』を書いたときに、カルデア人、エジプト人の書き残したものやシビュッラの神託を見ていました。古代の賢人や預言者たちの言葉をプラトン自身は理解しないまま、『ティマイオス』に書き写したというのです。
たとえば『ティマイオス』にある「神が,かの自足した神,最高度に完結した神を生み出した」という言葉は、そのようにして受け継がれた言葉の一例であるとされます。この言葉を用いてプラトンは「神が世界を生みだした」ということを意味しています。しかしスカリゲルによれば、神に依存する世界は自足的とは言えず、プラトンは自らが書き写した言葉に誤った解釈を与えています。
では『ティマイオス』にある生み出された神とはなんなのか。それはイエス・キリストである、とスカリゲルは主張します。イエスの生誕は預言者やシビュッラの神託がすでに予言しており、『ティマイオス』の記述はこのような予言に基づいている。しかしプラトンは神の一人子であるイエスのことが理解できなかったため、生み出された神のことを世界であると誤って解釈してしまったというのです。
これ本気で言っているんだからなぁ。
- 作者: プラトン,種山恭子,田之頭安彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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