詩の美しさ

 昨日夜遅くまで外出していたため、ゆっくり6時に起床。要項は大体できたかな。いいところですが授業の準備のためアリストテレスを読まないといけません。

 ところで久々に『アエネーイス』を読みました。うーん、やっぱりラテン語で書かれた詩を味わうことができません。内容は面白いと思うのですけど、芸術作品としての美しさのようなものが伝わってこないのです。これはうまく音読できないからでしょうか。単語のアクセントを重視してみても、韻律を重視してみても、どうもきれいな音の流れになりません。結局は文字列の羅列から意味を読み取っているだけという作業に終始してしまいます。対照的に、とりあえず音とは無関係に構造の美しさが分かるキケローの演説は、それなりに味わえているつもりになっています。

 というようなことを昨日古典学科出身のシリア語文献学の先生に言ったら、「そうか?」みたいなことを言いながらぱっとマイナースによる校訂本を本棚から取り出して、『アエネーイス』4巻冒頭にある

at regina gravi iamdudum saucia cura
vulnus alit venis et caeco carpitur igni.

の部分を読みはじめました。それを見て、ああ、ここは以前メレアグロスさんが「いやはや,最初からすごい2行です」と書いていた箇所だなぁ、やっぱりわかる人にはわかるのか…私はキケローの弾劾演説に出てくる罵詈雑言にニヤニヤするくらいしかできないなぁ、などと思っていました。

 以上与太話。

アエネーイス (西洋古典叢書)

アエネーイス (西洋古典叢書)