世界霊魂研究その26 フィチーノ、デッラ・ポルタ、メルセンヌ

 今日はフィチーノ、デッラ・ポルタを読みました。その後イェーツの『ジョルダーノ・ブルーノ』の22章を調べ、最後にメルセンヌの『理神論者たちの覆され論駁される不敬虔』にとりかかったところで時間切れです。

 おや、と思ったのはデッラ・ポルタの議論です。まず第一に彼は『アエネーイス』6巻726行目に現れるspiritusという言葉を世界霊魂と解釈しています。これはフィチーノとは異なります。デッラ・ポルタの理論がフィチーノの影響を色濃く受けていることはたしかなものの、どうやら重要な差異がありそうです。

 第二にデッラ・ポルタの『自然魔術』は第2版で異端の県議を逃れるためにいろいろと訂正がなされているという点です。私が見た部分では、神が精神を産み、精神が魂を生むという議論の箇所で、キリスト教の真理にしたがえば神が直接的に魂をつくることになっているという注記が第2版から加わっています。これはフィチーノ流の神、精神、魂、物体という流出の図式が異端的とみなされる可能性があり、デッラ・ポルタがそれを回避しようとしていたことを意味します。