オリゲネス、アヴィセンナ

オリゲネスと星の命

 上智大学の中世思想研究所に行って3冊ほど本を借り出してきました。まずは紀元後2-3世紀のキリスト教教父であるオリゲネスを扱ったもの。

Origen and the Life of the Stars: A History of an Idea (Oxford Early Christian Studies)

Origen and the Life of the Stars: A History of an Idea (Oxford Early Christian Studies)

 目次からも分かるように、第一部から第二部にかけてソクラテスの以前の哲学者からアレクサンドリアのクレメンスにいたるまで、星を生きものとみなす考えがどのように受容されてきたかを論じてくれています。

アヴィセンナ『治癒の書 第一哲学』

The Metaphysics Of The Healing (Islamic Translation Series)

The Metaphysics Of The Healing (Islamic Translation Series)

 特に説明の必要はないでしょう。マルムラの遺書です。

コルバンアヴィセンナ

Avicenna and the Visionary Recital (MYTHOS: THE PRINCETON/BOLLINGEN SERIES IN WORLD MYTHOLOGY)

Avicenna and the Visionary Recital (MYTHOS: THE PRINCETON/BOLLINGEN SERIES IN WORLD MYTHOLOGY)

 これまた言わずと知れたコルバンによる研究書。第2章の天使論を勉強するために入手しました。

『治癒の書 自然学』

The Physics of the Healing: A Parallel English-Arabic Text; Books I, II, III, & IV (Brigham Young University - Islamic Translation Series)

The Physics of the Healing: A Parallel English-Arabic Text; Books I, II, III, & IV (Brigham Young University - Islamic Translation Series)

 勢いで注文してしまいました。しかし上で言及した『第一哲学』の翻訳といい、ガザーリーの翻訳といい、さらにはこの『自然学』の翻訳といい、このシリーズは大規模な翻訳プロジェクトを実現させ、しかもそれを安価で販売してくれています。

 この翻訳の登場により、これまでどれほど頭を悩ませてもわからなかった『治癒の書』のラテン語訳の意味が取れるようになることを期待しています。