- 「ヘブライ語百科事典における天の物質の問題」Ruth Glasner, "The Question of Celestial Matter in the Hebrew Encyclopedias," in The medieval Hebrew encyclopedias of science and philosophy, ed. Steven Harvey (Dordrecht: Kluwer Academic Publishers, 2000), 313-34.
天の物体は月下の物体と同じなのか。星の物体は天球のそれと同じなのか。この二つの問題についてアヴェロエス、マイモニデス、およびその後のヘブライ語百科事典の記述を検証したものです。
これによると『天球の実体について』の校訂版として次のような博士論文があるそうです。
- Caterina Rigo, "Il De substantia orbis di Averroè : edizione dellla versione latino-ebraica con commento di Yehudah b. Mosheh Romano" (PhD. diss., Università degli studi di Torino, 1992).
しかしこれは手に入りませんな。アルベルトゥス・マグヌスについての論文も書いている人のようです。
勉強になった点は、アヴェロエスが天球のうちで密度の濃い部分が星であると考えていたという話。これはスカリゲルにそのまま引き継がれている見解ですね。