夜遅くにひでみさんの研究室に押しかけて、一緒にアヴィセンナを読んでもらいました。『治癒』「動物論」の第1章です。
アヴィセンナによれば、性交により男性の精液が女性の精液と混じり合うと、前者が後者を動かしてまず心臓を形成します。続いてこの心臓からその他の部分を形成する原理となるような力が出ていき、体の形成がはじまります。このプロセスの過程で女性の精液が固まると、霊魂が男性の精液からもたらされます。この霊魂は栄養摂取的霊魂であり、体を完成させるための活動を行います。この父親由来の霊魂は体の形成が一定の段階に進むまでは存続し、それ以後はのちに生まれる子どもに固有の栄養摂取霊魂に取ってかわられます。一方、感覚的霊魂と理性的霊魂は心臓と脳が形成された段階で、胎児に与えられます。(続く)