ライエルの定常地球論復習 Rudwick, Worlds Before Adam, ch. 25

Worlds Before Adam: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Reform

Worlds Before Adam: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Reform

  • Martin J. S. Rudwick, Worlds Before Adam: The Reconstruction of Geohistory in the Age of Reform (Chicago: University of Chicago Press, 2008), 363–77.

 ライエルが1832年より2年間行ったキングズカレッジロンドンでの講義と、大陸への旅行、そして33年の『地質学の原理』の最終第3巻の出版について論じた章です。事実関係に関する記述以外は、これまでも述べられてきたライエルの考え方が繰り返されています。地球の歴史に激変を持ち込むのは、不完全な化石記録を完全な記録ととりちがえているからである。激変は存在せず、一定のペースで新たな種が現れて絶滅していっている。このことは最も完璧に近い記録である貝類化石という証拠から裏付けられる。第3期紀地層の内部において現代から離れれば離れるほど、発掘される化石に含まれる現生貝類の割合が徐々に低下していくからである。