- 作者: Paul J. J. M. Bakker,Sander W. de Boer,Cees Leijenhorst
- 出版社/メーカー: Brill Academic Pub
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- William Duba, "The Souls after Vienne: Franciscan Theologians' Views on the Plurality of Forms and the Plurality of Souls, ca. 1315-1330," in Psychology and Other Disciplines: A Case of Cross-Disciplinary Interaction (1250-1750), ed. Paul J.J.M. Bakker, Sander W. de Boer, and Cees Leijenhorst (Leiden: Brill, 2012), 171-272.
マルキアに続いて1320年から21年にかけて『命題集』注解講義をパリ大学で行ったのはメロンヌのフランシスであった(224-235)。彼はマルキアとほぼ同じ議論によって、理性的霊魂は身体の直接的形相だと論じた。同時にマルキアと同じく、ひとつの実体のうちに複数の実体形相を認めた。しかし彼はマルキアのように、複数の形相がそれぞれ複合体をつくりながら、入れ子状に実体を構成しているとは考えなかった。むしろ彼は形相のそれぞれがばらばらに複合体を形成し、それらが最後の形相によって統合されていると考えた。それらばらばらな形相はひとつの連続的な質料を形相づけているとされた。ここからメロンヌは、キリストの身体から流れ出た血は、もはやキリストの身体とはみなせないと論じた。それは身体と連続的な一体性をもはや有していないからである。よって処刑から復活までの三日間のあいだに聖餐の言葉がとなえられたならば、呼びだされるのはキリストの身体のみで、そこに血は含まれていなかったであろう。