クザーヌス、英訳全集

 全集がPDFファイルでネット上に置かれているとは。なんという有意義な事業。

 で、これをつかってケプラーの典拠とされている『De theologicis complementis』の第6節を見てみました。

 そこには確かに円の中心、中心から延ばされた直線、円周の三つの要素が出てきます。中心は"the Paternal Beginning"、直線は"a Beginning-from-a-Beginning"、円周は"a Uniting, or a Union"を意味するそうです。

 …。元のラテン語が確認できないこともありますけど、やっぱりクザーヌスは意味不明だ。

 それはともかく別に三位一体とは関係ないですね。こうなるとジョルジが三位一体を球とみなしたことをクザーヌスの直接の影響と見ることはできなくなります。ただ数学的図形で表される象徴を重視するという点で、間接的にクザーヌスの思想が効いている可能性はあります。

 あと次のようなケプラーの文章にばっちり対応する箇所はまだクザーヌスに発見できていません。

 Hac enim una re divinus mihi Cusanus, aliique videntur: quod recti, curvique ad invicem habitudinem tanti fecerunt, et curvum deo, rectum creaturis ausi sint comparare: [...].

 とりあえず三つほど関係する論文がありそうなので手配。