- Karl Friedrich Hermann, ed., Platonis dialogi secundum Thrasylli tetralogias dispositi (Leipzig: Teubner, 1873), 249 (Greek) = Michael J. B. Allen, Icastes: Marsilio Ficino's Interpretation of Plato's Sophist (Berkeley: California University Press, 1989), 217 (Latin) = John M. Dillon, ed., Iamblichi Chalcidensis in Platonis dialogos commentariorum fragmenta (Leiden: Brill, 1973), in Sophistam fr. 1 and p. 246, n. 2 (English).
イアンブリコスが考える3種類のデミウルゴス
- 『ソフィステス』の主題は「月下のデミウルゴス」。このデミウルゴスは地上での生成消滅を司る。
- 「月下のデミウルゴス」の上に「天のデミウルゴス」が存在する。このデミウルゴスは天体の生成を司る。彼は『ティマイオス』に現れる「neoi theoi」と同一視することができるかもしれない。
- 「天のデミウルゴス」の上に「デミウルゴスたちの父」が存在する。これが『ディマイオス』で言われるところのデミウルゴスであり、『ソフィステス』に現れる「エレアからの客人」はこのデミウルゴスと同一視される。
このイアンブリコスの意見を含んだ古注が、フィチーノの『ソフィステス』ラテン語訳の冒頭にイアンブリコスの言葉として含まれた。このためスカリゲルは上記のイアンブリコスの意見を、プロクロスも支持していると考えた。その結果彼は『ソフィステス』の主題が「月下のデミウルゴス」であるという考えを、プロクロス、イアンブリコスの意見として攻撃した。