宮部みゆき『ソロモンの偽証 第III部』

ソロモンの偽証 第III部 法廷

ソロモンの偽証 第III部 法廷

  • 宮部みゆき『ソロモンの偽証 第III部 法廷』新潮社、2012年。

 最終巻では中学生たちがひらく模擬裁判の模様がえがかれています。長編小説の最後に法廷のシーンを持ってこられるとどうしても『カラマーゾフの兄弟』と比較したくなってしまい、結果として評価が辛くなってしまうという。しかしそういう比較を抜きにしても、この裁判のパートの読後感はよくありません。いろいろ書けますけど、何よりも「偽証」ってそれ?という落胆が半端ないです。模倣犯では、おおお、だから『模倣犯』なのか!と思わせてくれたのですけど。次回作に期待です。