『恋の技法』テキスト

 このRamirezによる校訂を手元において(友達から勝手に借りて・・・)読んでいるのですが、かなり大胆です。写本になくて、しかも現在標準とされているテキストではテキスト本文の方には入れられていないような修正読みもどんどん本文の方に入れていっている感じです。アパラトゥス(日本語で定訳あるのかなぁ)にはいろいろ書いてあって面白いのですがね。
 校訂に関してはその人の個性が出て、写本にない自分の読みをどんどん入れていってしまう人と、すごい慎重でしまいには「このままでは意味が通じません」を意味する†が印刷されまくる人がいます。
 なお『恋の技法』に関しては、現在標準とされているのは
Amores Medicamina Faciei Femineae Ars Amatoria Remedia Amoris (Oxford Classical Texts)

Amores Medicamina Faciei Femineae Ars Amatoria Remedia Amoris (Oxford Classical Texts)

で、上で紹介したRamirezのものよりもこっちの方がよさそうです。アマゾンさんに言いたいのですが、作者名になっている Nasonis P. Ovidi は属格形です。このままでは作者が「オウィディウスの」という意味になってしまう・・・。
 このKenneyさんはオウィディウスについて、
Ovid, Heroides 16-21 (Cambridge Greek and Latin Classics)

Ovid, Heroides 16-21 (Cambridge Greek and Latin Classics)

という注釈書も出しています。