スコトゥス、Lecturaの挿入

 スカリゲルは『演習』で混交について論じる際、スコトゥスのLecturaを批判します。そこで現代の校訂版を見てみると、スカリゲルが批判している部分は、textus interpolatusとして処理されていることがわかります。なぜ挿入と判断されるかというと、編者曰く、内容的に後続する部分の単なる繰り返しであるとの理由。ただし内容的に繰り返しということは、スコトゥスの真正の議論を反映している挿入ではあるとはいえます。

 しかしスコトゥスアリストテレス哲学を解説しているかと思いきや、いきなり『創世記』を出してきたりするなど、なかなかに面白い議論を展開しています。