『Fold』にまつわる会話

 今年7月に創刊された雑誌『Fold』を片手に、昨日とある場所で行われた会話です。

A: 今までに身体を駆け抜けた雑誌はありますか。それは具体的になんですか。

B: 身体を駆け抜けたってどういう意味?衝撃を受けたってこと?

A: あ、それでいいと思う。

B: 初期の月刊ゴンですね。98、99年ごろのもの。2年ぐらい毎号買っていた。嘘ばかり書いてある雑誌でね。例えば当時有名だった女性バンドのメンバーが使っていた○○を入手!と題して入手過程からその香りの描写、果てはその○○を持ってのライブ参加ルポとかが書かれている。その他の題材にしても高尚なネタは全くなかった。ヤクザの話とか全国の秘宝館行き較べとか。とにかく他の媒体では得られない刺激が魅力の雑誌でした。ネタのチョイスも巧妙だったし。

A: インターネットで容易かつ瞬時に多くの情報が集められるようになった現在、雑誌が担う役割は何だと思いますか。

B: うーん、情報の正確さかな。あと見やすさ。雑誌の役割は情報を伝えることで、でもネットができることをしていても意味ないよねってことで。

A: デジタル化、グローバル化が進むことで、「時」はどのように変わってきた、もしくは変わって行くと思いますか。

B: とき?時間のこと?

A: そういうことだと思う。

B: 時間は変わらないんじゃない?時間はいつも同じように流れています。・・・とにかくこの設問、周りに情報があふれると人間の時間感覚が変わるという前提に立っているよね。それはいいとしても、ものごごろついたときから周りに情報があふれているから、過去から見てどういう変化があったかは想像がつかないな。

A: 未来において懐かしさを覚えるものは何だと思いますか。

B: 未来になったら今の全てがなつかしいんじゃない?いやいや、マジメに考えますよ。うーん、例えば30年後の自分、つまり2039年の自分が自分の周りにある何かを見たときに、2009年を思い出して懐かしいと思うものだよね。Suicaかな!そのときには今でいうSuicaの機能を担うものは全く別のものになっているよね。で、その別のものを日常的に見ていて、ふと部屋のどこかで使わなくなったスイカを発見したとき、「おおおー、そういえばSuicaなんてあったなぁ」となる。

 以上の質問は、『Fold』のアンケート企画である「時と雑誌と私」に掲載されているものをそのまま使わせてもらっています。この雑誌に興味を覚えた人は次のページにアクセスして注文するといいと思うな。