昨日の読売新聞でも取り上げられていましたが、今月の9日に、アメリカのカンザス州で、生命の起源について進化論以外の見解も教えるようにという教育方針が採択されました。それをきっかけにして、今アメリカで大論争となっています。
進化論以外の選択肢というのは「intelligent design 説」(ID説)というもので、生命を誕生させたなんらかの知的な存在がいたという考えです。ID説を支持するID.netなる団体(?)のホームページホームページもあるので参考にしてください。ここには学者の手になる論文もあります。またID説を支持する団体としてはDiscovery Instituteというのも有名です。
上でリンクしたニューヨークタイムズの記事はダニエル・デネットという人が、ID説と進化論とのあいだにはそもそも「論争」などないのだ、ということを述べています。
いずれにせよ、進化論の教育をめぐってこのような論争が起こってしまえば、「宗教右派にのっとられたアメリカ」というイメージが世界中でますます強まり、アメリカの政策から求心力を奪っていくことになります。ブッシュ大統領自身が
"I think that part of education is to expose people to different schools of thought."
などと言ってしまえばなおさらです。