戦後

id:kamo_negitoroさんが昨日の日記で、電車の中で中学生の女性たちが「戦後」という言葉を使っているのを聞いて、その使われ方に驚いたと書いています。その人たちは年配の英語教師について「戦後って感じだよね」と評していたそうです。
 この女性たちの頭の中では、自分たちは「戦後」には含まれず、年配の英語教師(60近いのかもしれない)は「戦後」に含まれているという思考が成り立っていることになります。
 僕は今23歳ですが、自分が「戦後世代」だと考えたことはありませんし、今後もそう考えることはないと思います。同時に60代に近い人を「戦後というイメージを典型的に表している人物」としてとらえる感覚も持っていません*1
 id:kamo_negitoroさんは、「彼女たちの考え方が必ずしも共有されているとは思いません」と僕に答えていますが、どうなのでしょう。戦後というものにたいする僕やkamoさんのイメージが当の女性たちと重ならない部分を含んでいることは確かなのですが、では例えば彼女たちと同年代の人たちにとっての戦後のイメージが、僕たちのそれに近いか(つまりその電車の女性たちは例外ケース)かと言われると相当に自信がないです。
 日本の思想史研究では、個々の思想家に対する研究はそれなりにあるのですが、人々の大まかな意識の変遷を追ったものは少ないのではないでしょうか。こういうことを考えるときによって立つべき本は(小熊英二以外は)ちょっと思い浮かびません。

*1:もちろん、彼女たちと僕のどちらかが正しいとかいう問題ではないです、念のため。