ガッサンディの機械論

『中世からニュートンまでの原子論の歴史』 Kurd Lasswitz, Geschichte der Atomistik vom Mittelalter bis Newton (Hildesheim: G. Olms, 1963; originally published in 1890), 126-183.

をなんとか読みました。ガッサンディに関する部分です。ガッサンディの自然哲学、それもその物質理論に関心が集中しています。原子、空虚といった主要概念について彼がどのように考えていたかが最初に検討されます。そして、人間が持つ感覚や自然界の諸現象が、それらの概念をどのように応用することで説明されるかが扱われます。最終的に、ラスヴィッツガッサンディの原子論には限界があったと指摘します。原子と空虚を厳密に分けて、物質を個別化・客体化したまではよかった。しかしその客体化された物質に関する考察は、感覚経験からの推論に依存した不十分なもので、最終的に物質世界を数学的に記述するという方向に向かうことができなかった。これが彼の結論です。