はてなスターの意図と問題点
はじめてブログを開設された方の中には、(中略)他のユーザーの心無いコメントによって心を痛めてしまったり、スパム行為にうんざりする、という出来事も頻繁に発生しています。
はてなスターでは基本的に他人を褒めることしかできません。(中略)オープンな空間に部分的な閉鎖空間を偏在させることによって、良質なコメントのやり取りができるようになると考えています。
ブログをいっそう楽しくする「はてなスター」をリリースしました - はてなダイアリー日記
否定的なコメントがつくことを防ぎつつも閉鎖的な空間にもならないように配慮した仕組みとして、はてな側は認識しているようです。
Mixiのような閉鎖的な場所がユーザーの数を伸ばす一方で、はてなではブックマークを通じての否定的なコメントの問題性が繰り返し議論されています。Mixiが馴れ合いではてなは修羅場という対立軸があり、両者の中間にある場所を作り出すためにはてなスターは導入されたいうところでしょうか。
とはいえ問題点がありすぎ。
- 日記画面から消去できない
実際にはスター欄を日記画面から消去する方法はいくつかあるようです。でもその方法ははてな側から提示された正式のものではありません。自分の日記画面に表示されるものを、管理人として自由に管理できないというのは非常に腹立たしいです。
- 誤って追加したスターを削除できない
正直この機能がないことによる弊害というのが理解できません。少なくとも間違えてつけられたスターには情報価値はないでしょう。技術的にいろいろとあるのでしょうけど。
- 自分の日記にはスターをつけられなくてもいいでしょ
いや、自分につける必要はないんじゃない?
- 「ブログのエントリーは次々に流れていきますし、挨拶のようなものであるとお考え頂ければ幸いです」って冗談でしょ
スターを削除機能をつけないことについてのはてな側の理由がこれです*1。
しかしいくらなんでもこれはひどい。はてなをMixiあたりと混同しているんじゃないでしょうか。
高い評価を得ているブロガーの多くは、自分が書く記事が後々まで参照されることを想定しています。実際に半年に一度、あるいは一年に一度、ブログ内のおすすめの記事を整理している人もいます。
そういうブロガーたちにとっては、記事とは別の記事が上がるたびに流れていくものではありません。極端に言えば、一つ一つのエントリーが精魂を傾けて作り出した作品であるわけです。
それなのにワンクリックで誤ってつけられた表示を消すことができないなんて。手間暇かけて執筆した記事に単純な入力ミスから生まれた数字が表示されることに、ブロガーは耐えられないのではないでしょうか。そんなの自動送信されてくるスパムと同じですよ。それを挨拶のようなものだから気にするなとは。
- なぜすべての日記に「評価」の明示化を要求するのか
一つ一つの記事に手間暇をかけている人がいる一方で、どう読まれるかとかとは関係なしに日々の生活をのんびり書いている人もたくさんいるわけです。そういうブロガーにとって、ある日の日記が別の日の日記より評価されているとか好感度が高いとかいう情報は無意味ではないでしょうか。
要するに
いろいろなブロガーがいて、それに応じていろいろな書き方、読み方がある。だからサービスの管理側からブログのあり方を特定の方向へと誘導する機能を強制的に発信するのはおかしいでしょう。とりあえず導入と非導入の切り替えを早急に導入しないと。