書評の効用

 ようやく書評が完成しました.研究史を把握していない領域に関するものだったので,これまでの蓄積の中に書評対象の本を位置づけるのに苦労した感があります.こういうときには,これまでに同じ分野の書籍について書かれてきた書評が役に立ちますね.同じ本についていくつか書評を読むと,その本が研究史の中でどのような位置づけを占め,どのような特徴を持つのかが見えてきます.そうやってあらかじめ内容を把握しておくと,実際に本に当たった時も速く読めます.また,一度読んだ本についても,書評を読むことで,内容が整理された形で頭に入ることになります.今はデータベースを使って,書評を見つけダウンロードするのは簡単なので,ぜひこれからも活用していきたい手法です.というわけで,何を今頃という感じではありますけど,ここにきてようやく書評というものの効用を理解した次第です.